サイト解析

Googleアナリティクスで何がわかるのか?実例レポートをもとに改善提案の方法を解説

更新日:2026-05-11 著者:unigram 読了目安:6分

この記事の要点

Googleアナリティクス(GA4)を導入しているけれど、どこを見ればいいかわからない方へ。観光・小売系・BtoB製造業・ECサイトの3業種の実例レポートをもとに、アクセスデータの読み方と具体的な改善提案の方法をやさしく解説します。

「Googleアナリティクスを入れているけれど、どこを見ればいいのかわからない」
「数字はたくさんあるけれど、何をどう改善すればいいの?」

Web担当者であれば、一度はこう感じたことがあるのではないでしょうか。

この記事では、実際のGA4(Google Analytics 4)レポートをもとに、何がわかるのか・どう改善提案につなげるのかを、業種の異なる3つのサイトの事例とともに解説します。

この記事でわかること

  • GA4の基本的な指標の読み方
  • 「集客・行動・成果」という3つの視点
  • 実例をもとにした具体的な改善提案の考え方

そもそもGoogleアナリティクス(GA4)とは?

GA4(Google Analytics 4)は、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。自分のウェブサイトに来たユーザーの行動を詳しく記録・分析できます。

具体的には、次のようなことがわかります。

  • 何人がサイトを訪問したか
  • どのページが多く見られているか
  • どこから来た人が多いか(検索・SNS・広告など)
  • お問い合わせや購入などの目標に到達したか

これらのデータを読み解くことで、「サイトのどこに問題があるか」「どこを改善すると効果が出そうか」が見えてきます。

【用語メモ】GA4とUA(ユニバーサルアナリティクス)の違い
以前使われていたUA(ユニバーサルアナリティクス)は2023年にサービスを終了し、現在はGA4が標準となっています。GA4では「イベント」という単位でユーザーの行動を計測するため、より詳細な分析が可能になっています。

GA4で見るべき3つの視点

GA4のデータは大きく3つの視点で整理すると理解しやすくなります。

①集客:どこから来たのか

ユーザーがどのルートでサイトに訪れたかを示します。主な流入経路は以下のとおりです。

  • Organic Search(自然検索):GoogleやYahoo!などで検索してたどり着いたユーザー
  • Direct(直接):URLを直接入力、またはブックマークから訪問したユーザー
  • Referral(参照元):他のウェブサイトのリンクから来たユーザー
  • Paid Search(有料検索):リスティング広告をクリックして来たユーザー
  • Organic Social(自然SNS):SNSの投稿リンクから来たユーザー

「どのルートが多いか」を把握することで、集客施策の重点をどこに置くべきかが判断できます。

②行動:サイト内で何をしたのか

ユーザーがサイトに来たあと、どのページを見て、どのくらいの時間滞在したかを示します。ここで重要な指標がエンゲージメント率です。

【用語メモ】エンゲージメント率とは
ユーザーがページに対して「何かしらのアクションを起こした」意味のあるセッションの割合です。スクロール・クリック・一定時間の滞在などが含まれます。エンゲージメント率が低い場合、ユーザーがサイトに興味を持てずに離脱している可能性があります。

③成果:目標を達成したか

お問い合わせの送信・商品の購入・資料ダウンロードなど、サイトの目的に対してどれだけ達成できたかを示します。これをコンバージョンと呼びます。

【用語メモ】コンバージョン(CV)とは
サイトが目指す「最終的な成果」のことです。ECサイトなら購入、企業サイトならお問い合わせ、ブログならメルマガ登録などが代表例です。GA4でコンバージョンを設定することで「どこから来た人が成果につながりやすいか」が分析できます。

実例①:観光地に店舗を持つ小売・飲食系サイトの場合

観光スポットに複数の店舗・施設を展開する企業の公式サイトを、3ヶ月分のデータで分析した事例です。

データから見えたこと

  • 月間ユーザー数:数万人規模、新規ユーザーが約97%を占める
  • 流入の約6割がGoogleなどの自然検索(Organic Search)経由
  • エンゲージメント率:約60%(残り約40%は何もせず離脱)
  • お問い合わせフォームを開き始めたユーザーのうち、最後まで送信できたのは約1〜2割にとどまる

分析からわかる課題と改善提案

課題①:リピーターがほぼいない
新規比率が非常に高いということは、一度来たユーザーがほとんど戻ってきていないことを意味します。観光地のサイトとして認知はされているものの、サイト内のコンテンツがユーザーを引き留められていない可能性があります。

改善提案:商品・施設の背景にあるストーリーやこだわりなど、繰り返し読みたくなるコンテンツの充実。各施設・コンテンツページへの導線強化。

課題②:フォームの離脱率が高い
フォームを開いたユーザーの多くが途中で離脱しています。入力項目が多すぎる・スマートフォンで入力しにくいなどが原因として考えられます。

改善提案:フォームの入力項目を必要最小限に絞る。スマートフォン表示での操作性を確認・改善する。「送信後に何が起きるか」の説明文を加える。

課題③:検索キーワードが把握できていない
どんなキーワードで訪問しているかが見えていないため、コンテンツ改善の優先度を判断しにくい状態です。Search Consoleと連携することで解消できます。

改善提案:GA4とSearch Consoleを連携させる。取得した検索キーワードをもとに、コンテンツや導線を改善する。

【用語メモ】Search Console(サーチコンソール)とは
Googleが提供する無料ツールで、「どんなキーワードで検索されてサイトが表示されたか」「クリック率は何%か」などがわかります。GA4と連携することで、集客データをより深く分析できます。

実例②:BtoB製造業・企業サイトの場合

産業機械や部品などを扱うBtoB製造業の企業サイトを分析した事例です。BtoBサイト特有の傾向がよく表れています。

データから見えたこと

  • 月間ユーザー数:数千人規模(前期比マイナス傾向)
  • コンバージョン率は7%前後を維持しているが、件数は減少
  • 検索表示回数(Impressions)は横ばい〜減少傾向
  • 上位の流入キーワードは会社名・固有名詞が大半を占める

分析からわかる課題と改善提案

課題①:指名検索に依存しすぎている
上位キーワードの大半が社名や既存取引先向けの固有名詞です。会社名をまだ知らない新規顧客が製品カテゴリーで検索してもサイトに来られていない状況です。

改善提案:「〇〇とは」「〇〇の選び方」といった製品の基礎知識コンテンツを追加する。用途別・課題別のページ整備で、新規ユーザーの入口を増やす。

課題②:検索結果からのクリック率が伸びていない
検索への表示回数(Impressions)はあるのに、クリック数が伸びていません。タイトルや説明文が検索ユーザーの目に留まりにくい内容になっている可能性があります。

改善提案:各ページのtitleタグ・メタディスクリプションをユーザー目線で見直す。「何ができるのか」「どんな課題に対応できるのか」を前面に出す文言に変更する。

【用語メモ】メタディスクリプションとは
Googleの検索結果画面でタイトルの下に表示される説明文のことです。クリック率に大きく影響するため、ユーザーが「このページを見たい」と感じる内容にすることが重要です。

課題③:製品ページへの動線が弱い
企業概要や採用情報に比べ、製品・技術紹介ページへのアクセスが相対的に少ない傾向があります。サイトの目的である「製品への関心喚起」に誘導できていない状態です。

改善提案:トップページや企業概要ページから製品ページへの内部リンクを強化する。製造フローや技術力を視覚的にわかりやすく伝えるページを整備する。

実例③:自社ブランド商品を販売するECサイトの場合

自社オリジナル商品をオンライン販売するECサイトの分析事例です。購入データが計測できているため、より詳細な分析が可能な例です。

データから見えたこと

  • 月間ユーザー数・売上ともに前期比でプラス成長
  • 月間購入件数・売上額がGA4上で把握できている
  • 流入の3割超がリスティング広告(有料検索)経由
  • 直接流入(Direct)からのコンバージョンが最多
  • ユーザーの8割以上がスマートフォンからアクセス

分析からわかる課題と改善提案

課題①:広告費対効果(ROAS)の精査が必要
リスティング広告が売上の一定割合を占めていますが、キャンペーンごとに効果のばらつきがあります。費用対効果を精査することで、予算配分を最適化できる余地があります。

改善提案:効果の低いキャンペーンを停止または予算を削減する。成果の高いキーワード・広告クリエイティブへ集中的に投資する。

【用語メモ】ROAS(ロアス)とは
「Return On Advertising Spend」の略で、広告費に対してどれだけの売上があったかを示す指標です。広告費10万円で50万円の売上なら、ROASは500%となります。

課題②:一時的な大量アクセスを成果につなげられていない
テレビ露出などの外部要因でアクセスが急増した日も、コンバージョン率は平常時とほぼ変わらない水準にとどまっています。一時的な流入を取りこぼさない仕組みが必要です。

改善提案:話題になっているタイミングに合わせた専用ランディングページを用意する。はじめて訪問したユーザーに向けたブランド訴求コンテンツを強化する。

課題③:スマートフォンユーザーへの最適化が不十分
アクセスの大半がスマートフォンからにもかかわらず、エンゲージメント率が伸び悩んでいます。スマートフォンでの操作性・表示に改善余地がある可能性があります。

改善提案:スマートフォン表示でのページの見やすさ・ボタンの押しやすさを見直す(UXの改善)。商品ページの画像・説明文の見せ方をスマートフォン向けに最適化する。

【用語メモ】UX(ユーザーエクスペリエンス)とは
ユーザーがサイトやサービスを利用するときの体験・使い心地のことです。スマートフォンで見やすいか、ボタンが押しやすいかなども含まれます。

3つの事例に共通する改善のポイント

業種が違っても、GA4分析から見えてくる「改善のパターン」は意外と共通しています。

  • フォーム・購入への離脱を減らす:接触しているのに成果につながらないユーザーへの対策
  • 検索キーワードの間口を広げる:指名検索だけでなく、新規ユーザーが使うキーワードへの対応
  • コンテンツを充実させる:ユーザーが求める情報を提供してエンゲージメントを高める
  • コンバージョンをきちんと設定する:何を「成果」とするかを明確にして計測できる体制を作る

まとめ:GA4は「見るもの」から「使うもの」へ

GA4は、設定しただけでは意味がありません。定期的にデータを確認し、「なぜこうなっているのか」を考え、改善につなげることで初めて価値が生まれます。

最初から全部を見ようとする必要はありません。まずは以下の3点から始めてみましょう。

  1. 流入経路を確認する(どこから来ているか)
  2. よく見られているページを確認する(何に興味を持っているか)
  3. コンバージョンを設定する(何を目標にするかを決める)

この3つを定期的にチェックするだけでも、サイト改善の方向性が見えてきます。

この記事を書いた人

unigram
web、印刷、映像などの制作をしています。@京都、フリーランス18年目。 大学で講師もしています。 自身の備忘録も兼ねて、Web制作・WordPress・SEO・GA4・生成AI活用をテーマに情報発信しています。わかりやすく優しい内容で記事作成を心がけています。