「WordPressって、作ったら終わりじゃないの?」
そう思っている方は、実はとても多いです。ホームページやブログを公開したあと、特に何もせず放置している企業・個人も少なくありません。
しかし、WordPressで作ったサイトは定期的なメンテナンス(保守)が必要です。放置していると、セキュリティの穴が広がったり、突然サイトが壊れたりする原因になります。
この記事では「保守って何?」という方に向けて、WordPress保守の基本と重要性をやさしく解説します。
WordPress保守とは?
WordPress保守(メンテナンス)とは、公開済みのWordPressサイトを安全・快適に動かし続けるための定期的な作業のことです。
車に例えると、「購入したら終わり」ではなく、定期点検やオイル交換が必要なのと同じです。ウェブサイトも同様に、作って公開したあとも継続的なケアが必要です。
📌 注釈:WordPressとは
世界中で使われているウェブサイト作成ツール(CMS)のひとつ。企業サイト・ブログ・ECサイトなど幅広く利用されています。世界のウェブサイトの約40%以上がWordPressで作られているといわれます。
なぜ保守が必要なの?放置するとどうなる?
WordPressは世界中で使われているため、悪意のある攻撃者(ハッカー)に狙われやすいツールでもあります。WordPressを放置すると、次のようなリスクが高まります。
① サイトが乗っ取られる・改ざんされる
WordPressの古いバージョンや、更新されていないプラグインにはセキュリティの穴(脆弱性)が生まれることがあります。この穴を悪用されると、サイトの内容を書き換えられたり(改ざん)、不正なプログラムを仕込まれたりします。
📌 注釈:プラグインとは
WordPressに機能を追加するための拡張ツール。フォーム作成・SEO対策・画像最適化など、様々な用途のプラグインがあります。
📌 注釈:脆弱性とは
ソフトウェアのプログラムに存在するセキュリティ上の欠陥や弱点のこと。放置すると不正アクセスや攻撃の入口になります。
② サイトが突然動かなくなる
WordPressやプラグインのバージョンが古いまま放置すると、互いの相性が合わなくなり、ある日突然サイトが真っ白になったり、エラーが表示されたりすることがあります。
③ 検索エンジンからの評価が下がる
サイトの表示速度が遅くなったり、セキュリティに問題があると判断されたりすると、Googleなどの検索エンジンからの評価(SEO)が下がり、アクセス数が減少することがあります。
📌 注釈:SEOとは
Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略。Googleなどの検索結果で上位に表示されるための施策のことです。
④ 顧客・訪問者の信頼を失う
サイトが改ざんされると、訪問者の個人情報が盗まれたり、マルウェアを配布するサイトに変わってしまうこともあります。企業としての信頼を大きく損なうリスクがあります。
📌 注釈:マルウェアとは
ウイルスやスパイウェアなど、悪意のあるプログラムの総称。感染したサイトを訪問した人のパソコンやスマートフォンにも被害が及ぶことがあります。
一般的なWordPress保守の内容
では、具体的に何をするのが「保守」なのでしょうか。主な作業内容を紹介します。
1. WordPress本体・プラグイン・テーマの更新
WordPressは定期的にアップデートが提供されます。セキュリティの修正や機能改善が含まれているため、最新バージョンへの更新が基本中の基本です。プラグインやテーマも同様です。
ただし、更新によってサイトが壊れることもあるため、更新前にバックアップを取ることが重要です。
📌 注釈:テーマとは
WordPressサイトのデザインや構造を決めるテンプレートのこと。テーマを変えるとサイトの見た目が大きく変わります。
2. バックアップの定期取得
万が一サイトが壊れたり、データが失われた場合でも元の状態に戻せるよう、定期的にバックアップを取得しておきます。バックアップはサーバー(ホスティング)とは別の場所に保存するのが理想です。
📌 注釈:サーバーとは
ウェブサイトのデータを保存・配信するコンピュータのこと。レンタルサーバーサービス(例:エックスサーバー、さくらインターネットなど)を利用することが多いです。
3. セキュリティ監視・不正アクセスチェック
不正なログイン試行(ブルートフォース攻撃)や、スパムの投稿が行われていないかを定期的に確認します。セキュリティプラグインを使って自動的に監視する方法が一般的です。
📌 注釈:ブルートフォース攻撃とは
パスワードを総当たりで試して、不正ログインを試みる攻撃手法のこと。推測されやすいパスワードは特に危険です。
4. 表示速度・動作確認
サイトが正常に表示されているか、ページの読み込みが遅くなっていないかを定期的に確認します。スマートフォンでの表示確認も重要です。
5. 不要データの整理
WordPressは使い続けると、下書き記事・スパムコメント・リビジョン(記事の変更履歴)などのデータが蓄積されます。これらを定期的に削除することで、サイトの動作を軽くすることができます。
セキュリティ対策の基本
特にセキュリティ面では、最低限押さえておきたい対策があります。保守会社に依頼する場合も、自分で管理する場合も、以下の点が実施されているか確認しましょう。
✅ 強固なパスワードを設定する
WordPressの管理画面へのログインパスワードは、推測されにくい長くて複雑なものにしましょう。「password」「123456」のような単純なものは絶対にNGです。英数字・記号を組み合わせた12文字以上が推奨されます。
✅ 管理者ユーザー名を「admin」にしない
WordPressのデフォルトユーザー名「admin」は攻撃者が最初に試すものです。別のユーザー名に変更することで、不正アクセスのリスクを下げられます。
✅ SSL(HTTPS)を導入する
サイトのURLが「http://」ではなく「https://」になっているか確認しましょう。SSLを導入することで、通信が暗号化され、情報の盗聴を防げます。現在はほとんどのレンタルサーバーで無料で利用できます。
📌 注釈:SSLとは
ウェブサイトとユーザーの間の通信を暗号化する技術。「https://」から始まるサイトはSSLが導入されています。導入されていないサイトはブラウザで「安全でない」と警告が表示されることがあります。
✅ ログイン試行回数を制限する
プラグインを使って、同じIPアドレスからのログイン失敗が一定回数を超えた場合にブロックする設定を入れておきましょう。ブルートフォース攻撃への有効な対策です。
📌 注釈:IPアドレスとは
インターネット上のコンピュータに割り当てられた住所のようなもの。特定のIPアドレスからの通信をブロックすることで、攻撃を防ぐことができます。
✅ WordPressのバージョンを非表示にする
WordPressのバージョン情報が外部から見えると、古いバージョンを使っていることが攻撃者にわかってしまいます。セキュリティプラグインや設定でバージョン情報を隠すことが推奨されます。
✅ セキュリティプラグインを導入する
「Wordfence Security」や「SiteGuard WP Plugin」などのセキュリティプラグインを導入することで、不正アクセスの監視・ブロック・ログインページのURL変更などを自動で行えます。
ただしこれらのセキュリティプラグインは動作を重くする可能性もあり、このプラグイン自体を放置していると更にセキュリティの穴になることがありますので導入は慎重に検討してください。
保守は自分でやる?外部に依頼する?
WordPress保守は、自分で行う方法と、外部の保守会社・制作会社に依頼する方法があります。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 自分で管理 | コストを抑えられる | 専門知識が必要、時間がかかる |
| 外部に依頼 | 専門家が対応、安心感が高い | 月額費用がかかる(目安:5,000〜30,000円/月) |
企業のサイトであれば、本業に集中するためにも外部への依頼を検討するのが賢明です。万が一のトラブル時の対応も含め、専門家のサポートがあると安心です。
まとめ:サイトは「作ったら終わり」ではない
WordPress保守の重要性と基本的な内容をまとめます。
- WordPressは定期的なメンテナンスが必要なツールである
- 放置するとセキュリティリスク・サイト障害・SEO低下などのリスクがある
- 主な保守作業は更新・バックアップ・セキュリティ監視・動作確認など
- 最低限のセキュリティ対策として強固なパスワード・SSL・プラグイン導入が重要
- 企業サイトは外部への保守依頼も積極的に検討しよう
「うちのサイト、しばらく放置しているな…」と思った方は、まず現状を確認することから始めてみてください。WordPressの管理画面にログインして、更新が溜まっていないかチェックするだけでも第一歩になります。